木製ドアについて

たてぐ(建具)とは

窓・出入り口・間仕切りなどに取り付ける戸(扉)・襖・障子などの総称です。
窓・出入り口などの外気に面するものは、風・雨・熱・音などを遮断する性能が必要です。
間仕切りや部屋と廊下の間に用いるものは、音の遮断を要求される場合もあります。
建築物や各部屋の入口に付けられて、開口部を閉じたり、部屋と外部を遮断する機能を持ったものです。
昔は、大工さんと建て主さんで間取りを決め、建て主さんと建具屋で建具を決めていました。
最近は、間取り・キッチン・バス・トイレ等は建て主さんが選べますが、建具は選べなくなりました。
住居が洋風化され和室(畳みの部屋)が少なくなってきたせいでしょうか。

 

用語の解説

襖(ふすま)
~主に和室に使用される引き戸。表裏に紙、又は布が張られ、この上に美しい模様や絵が描かれているので、インテリアとしても優れています。

本襖(ほんぶすま)、和襖(わぶすま)
~木製の組子骨を使用した襖。

戸襖(とぶすま)
~洋室との仕切に使われ、一方は襖、一方は洋風の引き戸になります。

引き戸(ひきど)
~左右にスライドすることで開閉する戸。

障子(しょうじ)
~長方形の木の枠の中に、桟を組んで、障子紙を張った戸。視線を遮ると同時に柔らかな光が得られます。

荒組障子

荒組障子(あらぐみしょうじ)
~建具寸法H6尺×3尺で組子が縦3本、横5本。

水腰障子(みずこししょうじ)
~下部に腰板がないもの。

腰付障子(こしつきしょうじ)

腰付障子(こしつきしょうじ)
~下部に腰板を入れたもの。

横繁障子(よこしげしょうじ)

横繁障子(よこしげしょうじ)
~横の組子を多く入れた障子。

竪繁障子(たてしげしょうじ)

竪繁障子(たてしげしょうじ)
~縦の組子を多く入れた障子。

あずま障子(別名:硝子障子)
~障子紙の代わりに硝子をいれたもの。

吹寄せ障子(ふきよせしょうじ)

吹寄せ障子(ふきよせしょうじ)
~障子の桟を1ヶ所に2本ずつ配置する障子。

摺上げ障子(すりあげしょうじ)(別名:雪見障子)

摺上げ障子(すりあげしょうじ)(別名:雪見障子)
~下部の外側にガラスをいれ、下部の内側の小障子が、上げ下げができるようにした障子。

猫間障子(ねこましょうじ)

猫間障子(ねこましょうじ)
~障子の中央部に横方向(引分け、方引き)に開閉する小障子を組み込んだ障子。

組子障子(くみこしょうじ)

組子障子(くみこしょうじ)
~組子がはいった障子。

組子(くみこ)
~障子や欄間などの建具を構成する細かい部材のことで、組手(切り込み)をいれた細かい板を釘を使わず手作業で組み合わせ、精密な文様を編み出していく建具の伝統的技法です。その技術は、現在では主に日本家屋の障子や欄間に見られますが、生活様式の変化による日本人の和室離れにより、その伝承者は少なくなっています。

組手(くで)
~四角い棒状の木材を格子状に組み立てるための加工方法、この「組手」によって組み立てられた格子が組子(くみこ)です。

框戸(かまちど)
~框材と呼ばれる枠材で四方を枠組みし、その中にガラスなどをいれた戸。

フラッシュ戸
~戸の形に骨組みを作り、その両面に合板などの表面材を張った戸。

練芯材(ねりしんざい)
~フラッシュの骨組みに使われる積層材。

欄間(らんま)
~天井と鴨居の間、部屋と部屋の仕切りの上部に、通風・採光目的で設けられたもので、普通は格子や透かし彫り装飾が施されています。

和風建具
~畳・板の間の部屋に使われる襖・障子など

洋風建具
~床が畳以外の部屋に使われる戸(ドア)など。

造作家具
~造り付け家具(建物に取り付ける家具・クローゼットなど)

 

 

国の政策として持ち家の量産規格住宅(ハウス55計画)が推進され、住宅は大手ハウスメーカーに、建具はほとんどが大手建具メーカーの規格ユニット建具が使われるようになってしまいました。それから時代も変わり量産規格住宅から注文住宅(個性化住宅)に移行してきています。
ハウスメーカーの建築であっても、お客様のニーズに合わせて1棟ずつオーダーメイドしているのですから建具も建築に合わせてお客様の好みに合わせて作ってみてください。
昔から、町の建具屋さんは、ほとんどが受注生産で寸法違いの建具を、その建築や予算に応じてつくってきました。いまいちど建具屋と建具を見直す時代だと考えます。